上半身の症状

【肩峰下インピンジメント症候群】~気づいたらインピンジメント~

皆様、こんにちは。
名古屋市西区のかみおたい鍼灸接骨院です。
最近、肩を挙げる途中や降ろす途中で肩が痛くなって利していませんか?
もしかすると肩峰下インピンジメント症候群かもしれません。
そこで今回は「肩峰下インピンジメント症候群」について少しおつたえします。
その他の症状に関しては症状別治療を参考にして下さい。

☆肩の構造
肩関節は、可動域が広い関節で、その自由な動きを可能にするために複雑な構造を持っています。

1. 骨の構造
肩関節は 複数の関節が連携して動いています。主に関与する骨は以下の3つです。
・上腕骨:腕の骨で、肩関節の動きの主軸となります。
・肩甲骨:肩の後方にある骨で、関節の安定性に関与します。
・鎖骨:胸骨と肩甲骨をつなぎ、肩の可動域を広げます。



肩関節には主に以下の関節があります。
・肩甲上腕関節:上腕骨と肩甲骨の関節(一般的に「肩関節」と呼ばれる部分)
・肩鎖関節:鎖骨と肩甲骨(肩峰)の間の関節
・胸鎖関節:鎖骨と胸骨をつなぐ関節
・肩甲胸郭関節:肩甲骨と肋骨の間にあります。

2.. 回旋筋腱板(ローテーターカフ)
回旋筋腱板は、肩関節を安定させる4つの筋肉とその腱の総称です。肩の細かい動きや安定性に重要な役割を果たします。
・棘上筋:腕を外転(横に挙げる動作)
・棘下筋:腕を外旋(外側に回す動作)
・小円筋:腕を外旋(棘下筋と協力)
・肩甲下筋:腕を内旋(内側に回す動作)
回旋筋腱板が機能することで、上腕骨頭が肩甲骨の関節窩に安定して収まり、スムーズな動きが可能になります。



その他に関節を安定させる関節包、関節唇、靭帯や摩擦を減らし動きを滑らかにする滑液包などがあります。

☆肩峰下インピンジメント症候群とは
肩峰下インピンジメント症候群は、腱板(特に棘上筋)と肩峰の下にある肩峰下滑液包が、繰り返しの動作で炎症し痛みを引き起こす状態です。特に、腕を上げる動作(挙上動作)で痛みが生じるのが特徴です。

☆肩峰下インピンジメント症候群のおもな原因
1.解剖学的要因
・肩峰の形状
・骨棘の形成
2.機能的要因
・腱板機能不全
(腱板の弱化や断裂による肩関節の安定性低下)
・肩甲骨の動きの異常
(肩甲骨の動きが制限されると肩峰下スペースが狭くなる)
・反復動作や過負荷
(スポーツや仕事での腕の使い過ぎ)
・炎症や加齢変化
(腱板炎や滑液包炎による腫脹でスペースが狭くなる。
加齢に伴う腱板の変性)

☆肩峰下インピンジメント症候群のおもな症状
・肩を挙げる途中や降ろす途中で痛みが出る
(特に60〜120°の範囲で痛みでやすいです。)
・夜間痛
(特に横向きに寝たとき。)
・肩の可動域制限
(進行すると腕を上げにくくなります。)
・筋力低下
(長期間放置すると肩の筋力低下することもあります。)

☆肩峰下インピンジメント症候群のおもな徒手検査法
1.Neerテスト
・内旋位にした腕を前方に挙げたときに痛みが出るかを確認します。
2.Hawkinsテスト
・腕を90°屈曲し、内旋させたときの痛みをチェック

☆肩峰下インピンジメント症候群のおもな予防法
1.肩甲骨周りの柔軟性を高める。
2.肩関節の可動域を維持する。
3.腱板のトレーニングを行う。
4.日常生活での姿勢を改善する。
5.長時間のオーバーヘッド動作を避ける。

☆肩峰下インピンジメント症候群に効果が期待できるツボ
・肩髃

場所:肩の前面にあり、肩を挙げた時にできる前のくぼみ
効果:肩の可動域を改善、肩の痛みを緩和
押し方:中指または親指でゆっくり押し、5秒位キープしてください。それを3~5回くらいおこないます。症状が軽くなれば続けてみて下さい。
強く押し過ぎたりしないよう注意して下さい。


肩関節は、骨・靭帯・腱板・筋肉などが連携して動く 複雑で繊細な構造 を持っていますので、怪我や障害を予防するために適切な筋力強化やストレッチ を普段から行い予防していきましょう。
ご相談などございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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