上半身の症状

疲労骨折~見落としがちな骨折~

皆様、こんにちは。
名古屋市西区のかみおたい鍼灸接骨院です。
皆様、疲労骨折という言葉を聞いたことはありますか?
比較的なじみがある言葉かと思います。
ご経験された事がある方もいるかもしれません。
そこで今回は「疲労骨折」について少しお伝えします。
その他の症状に関しては症状別治療を参考にして下さい。

☆骨の構造
骨は見た目は硬くて一様に見えますが、内部には複雑で機能的な構造があります。大きく分けて次のような構造があります。
1. 骨膜
骨の表面を覆っている薄い膜
血管や神経が豊富に分布しており、骨の栄養供給や感覚、
骨の修復や成長に関与しています。
2. 皮質骨
骨の外側の硬くて密な部分で骨の強度と支持力をにないます。
3. 海綿骨
骨の内側にある軽くて網目状の構造で、内部に骨髄が含まれている
4. 骨髄
骨の中心部にある柔らかい組織で造血に関与します
骨髄には二種類あり、
・赤色骨髄:造血作用、主に若年者の骨に多い
・黄色骨髄:脂肪を多く含み、加齢とともに赤色骨髄がこれに置き換わる
5. 骨端線※子ども限定
成長期の子どもにだけ見られる部分で、骨の長さを伸ばす役割を持ち、成長が終わると骨化して消失します。

6.骨の細胞
・骨芽細胞:骨を作る(新しい骨の形成)
・骨細胞:骨の中に埋もれて骨を維持
・破骨細胞:骨を壊す(古い骨の吸収)
※この骨形成と骨吸収のバランスが取れていることが、骨の健康にとても重要です。
7. 骨の種類(形状による分類)
骨の形状には以下のようなものがあります。
・長骨:大腿骨、上腕骨・・・両端が膨らみ、中央が細い
・短骨:手根骨、足根骨・・・小さくて立方体状
・扁平骨:頭蓋骨、肩甲骨・・・平たくて薄い
・不規則骨:椎骨、顔面骨・・・特殊な形
・種子骨:膝蓋骨など腱の中にある小さな骨

☆疲労骨折とは
疲労骨折は、正常な骨組織に反復性のストレスが加わることで組織結合の断裂や骨膜反応が起こり、最終的に骨折する状態のことです。
通常の骨折のように1回の強い外力で起きるのではなく、日常的な運動や動作の中で骨が徐々に損傷していくのが特徴で、上肢、下肢、体幹と全身の骨に起こります。

☆疲労骨折のおもな好発部位
好発部位には以下の部位があげられます。
・脛骨 ・腓骨 ・中足骨 ・肋骨 ・腰椎

☆疲労骨折のおもな原因
疲労骨折を起こす原因として以下のようなものが考えられます。
・過度な運動
・急激な運動量の増加
・不適切なトレーニング方法
・筋力の不足や筋疲労
・骨密度の低下(特に女性アスリートに多い)
・足に合わない靴や硬い地面での運動

☆疲労骨折のおもな症状
初期は運動中や歩行中に痛みを感じますが、安静時は痛まないことが多いです。
進行していくと徐々に痛みが慢性化し、安静にしていても痛みを感じるようになります。
骨折部の腫れや熱を持つ事があり、圧痛を伴う場合があります。

☆疲労骨折のおもな診断方法
・X線:初期には異常が映らないこともあります。
・MRI:より正確に微細な骨折や骨の炎症を確認できます。

☆疲労骨折のおもな対処法
運動を中止して患部を安静にし負担を減らします。装具やギプスで固定することもあります。
痛みが引いてから徐々にリハビリ・運動再開します。
骨密度の低下が原因の場合は栄養指導やホルモンバランスの改善も必要です。

☆疲労骨折のおもな対処法
1.急な運動量の増加を避ける
2.正しいフォーム・適切なトレーニング
3.適切な靴やインソールの使用
4.十分な休息と睡眠
5.栄養バランスの取れた食事(特にカルシウムとビタミンD)


疲労骨折は、繰り返しの負荷によって骨に微細な損傷が蓄積し、最終的に骨折に至る状態です。若いアスリートや、骨密度が低い女性などは疲労骨折のリスクが高いと言われます。しっかり対処、予防していきましょう。
ご相談などございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。








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