皆様、こんにちは。
名古屋市西区のかみおたい鍼灸接骨院
次にあげる症状に心当たりはありませんか?
▢お尻の奥が痛い
▢坐骨神経痛の様な症状がある。
▢長く座っていると痛くなる。
▢立ち上がったり歩いたりすると楽になる。
▢お尻を押さえると痛みや違和感がある。
当てはまる項目が多い方はもしかすると深臀部症候群かもしれません。そこで今回は「深臀部症候群」について少しお伝えします。
その他の症状に関しては症状別施術を参考にして下さい。
🧠 臀部の基本構造(全体像)
臀部は、体を支える筋肉群の集まりであり、
「立つ・歩く・走る・階段をのぼる」など、下肢のほぼすべての動作に関与しています。
構造を大きく分けると
・表層(浅い層):大殿筋
・中間層:中殿筋、小殿筋
・深層(深臀部):梨状筋をはじめとする深い外旋筋群
・神経・血管系:坐骨神経など
・骨格構造:腸骨・仙骨・坐骨などの骨盤骨

🩺 深臀部症候群とは
深臀部症候群(DGS)は、臀部の深い部分で坐骨神経などの神経が圧迫・絞扼されることで、痛みやしびれが出る状態を指します。
以前は「梨状筋症候群(piriformis syndrome)」と呼ばれることが多かったのですが、実際には梨状筋だけでなく、他の筋肉や結合組織、血管なども原因となるため、より包括的な名称として「深臀部症候群」という言葉が使われるようになりました。
🧠 主な原因・病態
深臀部には複数の筋肉や神経・血管が複雑に走っています。代表的に関与する構造は以下の通りです
・梨状筋・上双子筋・下双子筋
・内閉鎖筋・外閉鎖筋・大腿方形筋
・坐骨神経(もっともよく圧迫される)
これらの部位で、以下のような要因により神経が刺激・圧迫されます。
・長時間の座位(特に硬い椅子)
・運動やトレーニング(ランニング、サイクリングなど)
・筋肉の過緊張や炎症
・外傷(転倒、尻もち)
・股関節手術や解剖学的異常
⚡ 主な症状
・お尻の奥の鈍い痛み、しびれ、灼熱感
・坐骨神経痛のような痛み(太もも〜ふくらはぎ・足に放散)
・長時間座ると痛みが強くなる
・立ち上がったり歩くと一時的に楽になることもある
・押すと臀部の深いところに圧痛点がある
🔍主な 診断方法
・理学所見(圧痛点、股関節の可動テスト)
・MRI(筋肉や神経の圧迫・炎症の有無)
・超音波検査
・神経伝導検査
💪 主な治療法
治療は主に保存療法が中心です。
1.主な保存療法
・ストレッチ:梨状筋・大腿方形筋など臀部深層筋のストレッチ
・理学療法(リハビリ):筋バランスの改善、骨盤の安定化
・温熱療法:筋緊張の緩和
・神経ブロック注射:痛みの緩和と診断の両方に有用
・薬物療法:NSAIDs、筋弛緩薬、神経痛治療薬
🧘♀️主な予防法
・長時間座りっぱなしを避ける
・坐骨に負担をかけない椅子やクッションを使う
・臀部や股関節周囲のストレッチを習慣化
・姿勢(骨盤の傾き)を意識する
・運動後のクールダウン・セルフマッサージ
🧘♀️ 主なセルフケア
※痛みが強いときは無理しないでください。
(炎症があると逆効果)
「気持ちいい」「少し伸びている」と感じる範囲で行う
1日 1〜2回, 各動作 20〜30秒×2〜3セット
① 臀筋のストレッチ
【仰向けで行う方法】
・仰向けに寝ます。
・右脚を左脚の太ももにクロス(4の字を作るように)。
・両手で左の太ももを抱えて胸の方にゆっくり引き寄せる。
・右のお尻の奥が伸びる感じで20〜30秒キープ。
・反対側も同様。
👉 腰が反らないように、背中を床につけたまま行う。
【 座って行う方法】
仕事の合間や電車の中でもできます。
・椅子に浅く座る。
・右足首を左膝の上に乗せて「4の字」を作る。
・背筋を伸ばしたまま、上体をゆっくり前に倒す。
・右のお尻の奥が伸びている感じで20〜30秒キープ。
・左右交互に行う。
👉 猫背にならず、骨盤を前に倒すよう意識。
② テニスボールをつかったケア
※痛みが強い日は避けてください。
・テニスボールを用意。
・床や壁とお尻の間にボールを挟む。
・痛気持ちいいポイント(コリや圧痛点)を探し、30秒ほどキープ。
・場所をずらしながら行う。
👉 ゴロゴロ転がすより、「圧をかけて呼吸する」方が効果的。
④ 股関節の可動域を広げるストレッチ
深臀部の筋肉が硬いと、股関節が動かず代償的に神経を圧迫します。
【方法】
・仰向けで片膝を立てる。
・立てた膝を内側・外側にゆっくり倒す(10回×2セット)。
・痛みがなければ、両膝を立てて左右に倒してもOK。
長時間座ってお仕事をされている方は多いと思います。
それに伴い、上記のように症状でお悩みの方も見えると思います。普段からセルフケアを行い予防に心がけましょう。ご相談などございましたらお問い合わせ下さい。
コメント