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【肘内障】~発生頻度が多いケガ~

皆様、こんにちは。
名古屋市西区のかみおたい鍼灸接骨院です。
ところで、肘内障という言葉を聞いたことがありますか?
小さいころに経験した事がある方や、小さな子様がみえる方は聞いたことがあるかもしれません。
発生頻度が多いケガなので、今回は「肘内障」について少しお伝えします。
その他の症状に関しては症状別治療を参考にして下さい。

☆肘関節の構造
肘関節は、上腕と前腕をつなぐ複雑な関節で、3つの骨と3つの関節面で構成されています。
1.肘関節を構成する骨
a.上腕骨:上腕部にある骨。
b.橈骨:前腕の外側(親指側)にある骨。
c.尺骨:前腕の内側(小指側)にある骨。

2.肘関節を構成する関節
a.腕尺関節
上腕骨と尺骨で構成される関節。
主に肘の曲げ伸ばし(屈曲・伸展)を行う。
b.腕橈関節
上腕骨と橈骨で構成される関節。
肘の屈曲・伸展に加え、回外・回内にも関与。
c.上橈尺関節
橈骨と尺骨の上端が接する関節。
前腕の回外・回内を可能にする。

3.肘関節にある主な靭帯
a.内側側副靱帯
上腕骨から尺骨にかけて伸びる靱帯。
肘を内側方向に安定させる。
b.外側側副靱帯
上腕骨から橈骨にかけて伸びる靱帯。
肘を外側方向に安定させる。
c.輪状靱帯
橈骨の頭部を包む靱帯。
橈骨が尺骨の周りを回る動きをサポートし、安定させる。

☆肘内障とは
肘内障とは、2~4歳頃の幼小児によく見られる肘のけがで、これは「橈骨頭亜脱臼」とも呼ばれ、橈骨の橈骨頭が輪状靭帯から外れかかる状態をいいます。
男女差は無いと言われています。

☆肘内障の原因
肘内障は以下のような動作によって起こることがあります
1.子どもの腕を急に強く引っ張る
(転びそうになった子どもを支えようとした時や高いところから飛び降りるときに大人が手を引っ張るなど。)
2.寝てる状態で腕を体の下にして転がり、自重で引っ張られ発生することもあります。
これらの動作で、橈骨頭が輪状靱帯から一時的にずれてしまうことがあります。

☆肘内障の原因
1.急に腕を動かさなくなる(痛みを避けるために腕をだらんと下げたままにする)。
2.腕を曲げたり伸ばしたりするときに痛がる。
3.肘や手首周辺に腫れや明らかな変形は通常見られない。
※患部に腫れがある場合は骨端線離開など疑われます。
※患部に変化が無い時は鎖骨の若木骨折との鑑別が必要です

☆肘内障の対処法
まず、患部を安静にし、速やかに医療機関を受診しましょう。
整復が完了すると、患肢を動かせるようになります。

☆肘内障の予防法
1.子どもの腕を強く引っ張らないよう注意する。
2.転びそうな時は、手首や腕ではなく胴体や肩を支える。


肘内障は比較的多いケガです。適切に処置をすれば自由に動かせるようになります。なぜ起きたのかをしっかり理解し、再発防止に努めることが大切です。
ご相談などございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。



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