下半身の症状

【大腿骨頭壊死症】~知らないうちに進んでる~

皆様、こんにちは。
名古屋市西区のかみおたい鍼灸接骨院です。
次にあげる項目に心当たりはありませんか?

▢最近股関節が痛い。
▢歩くと股関節が痛い。
▢股関節の可動域が狭くなってきた。
▢習慣的に飲酒する。
▢ステロイド薬を服用している。

当てはまる項目が多い方は大腿骨頭壊死の可能性があるかもしれません。
そこで今回は「大腿骨頭壊死症」について少しお伝えします。
その他の症状に関しては症状別治療を参考にして下さい。

☆股関節の構造
股関節は、大腿骨頭が寛骨臼にはまりこんでいる球関節です。



☆壊死とは
「壊死」=生体の組織や細胞が死んでしまう状態を言います。
骨は血液から栄養をもらって生きています。ところが、何らかの原因で大腿骨頭への血流が遮断されると、その部分の骨組織が「死んで」しまい、もろくなって潰れたり、変形したりしてしまいます。

☆大腿骨頭壊死症とは
大腿骨頭の一部が、血流の低下により壊死に陥った状態です。原因が明らかな症候性大腿骨頭壊死症と、原因があきらかでない特発性大腿骨頭壊死症があります。
やや男性に多い傾向があり、好発年齢は30才代~50才代です。両側の股関節に症状が出ることもあります。

A.症候性大腿骨頭壊死症とは
原因が明らかなもので、主な原因は以下のようなものです。
1.外傷性:骨折などにより血管が傷つき、血流が遮断されることが原因となる事があります。
2.放射線照射:腫瘍治療のために行われる放射線照射が、大腿骨頭の血流を阻害し壊死を引き起こすことがあります。
3.閉塞性:ダイビングなど、高圧から低圧に移行する状況で発生するガス泡が血管を塞ぎ、壊死を引き起こすことがあります.。
B.特発性大腿骨頭壊死
原因が明らかでないもので、指定難病に指定されています。ステロイド投与、アルコール、喫煙など関連しているのでは言われています。

☆大腿骨頭壊死の主な症状
初期には自覚症状が無いことが多く、症状の現れ方には個人差があり、症状の進行度合いによっても変化します。
・股関節の痛み。(歩き始めや長距離歩いた後、立ち上がりなど)
・股関節の動きに制限が出始める。
・安静時の痛みや夜間痛が出る。
・運動すると痛みが増す。
・日常生活動作(立ち座り、階段の昇り降りなど)に支障が出る
・跛行。(足を引きずって歩く)
※症状が出現するまでには、数ヶ月から数年かかることもあります.

☆大腿骨頭壊死の診断
既往歴や愁訴、X線やMRIなどの画像所見により診断されます。

☆大腿骨頭壊死症の主な対処法
「保存療法」
壊死が初期の段階で、骨がまだ潰れていない場合に行われます。
1. 安静・負荷軽減
杖や松葉杖を使って股関節への体重負荷を減らす。
壊死部のさらなる破壊を防ぐ。
2.運動療法・リハビリ
股関節周囲の筋肉を鍛えて関節を安定させる。
(※無理な動きはNG)
動きの維持・生活機能改善をはかる。
3.定期検査
MRIやX線で壊死の進行を定期的に確認する。
※保存療法では「壊死を完全に治すこと」は難しいですが、進行を遅らせたり痛みを和らげたりすることが目的です。
※壊死が進行して骨頭が潰れてきた、または日常生活に支障がある痛みがあるときに手術療法が検討されます。

☆大腿骨頭壊死症の主なセルフケア
壊死の進行を防ぎ、痛みを和らげるために日常生活の工夫も非常に大切です。
日常でできる工夫
1. 無理な運動を避ける。
(ジョギング・ジャンプなど衝撃の大きい動き)
2.関節にやさしい運動。
(水中歩行やストレッチ)
3. 体重管理。
(股関節への負担を減らす)
4. 正座やあぐらを控える。
5. 杖や補助具を使って歩行時の負担を軽減。
6. バランスの良い食事。
(骨の健康にカルシウムやビタミンDを摂取する)


股関節は良く動き、負担がかかりやすい場所です。
普段から規則正しい生活をし、股関節に負担をかけ過ぎないようにしましょう。
疑われる症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。
ご相談などございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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