皆様、こんにちは。
名古屋市西区のかみおたい鍼灸接骨院です。
次にあげる症状に心当たりはありませんか?
▢膝の不安定感がある
▢膝に痛みや腫れがある
▢膝の可動域に制限がある
▢動作時に痛い
当てはまる項目が多い方は、もしかすると膝関節の靭帯を損傷しているかもしれません。
そこで今回は「膝関節靭帯損傷」について少しお伝えします。
その他の症状に関しては症状別治療を参考にして下さい。
☆膝関節の靭帯
膝関節は主に4つ靭帯(前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯)があります。
1.前十字靭帯(ACL)
関節内にあり大腿骨と脛骨を繋いでいます。
脛骨の前方へのずれや下腿内旋を制御します。
2.後十字靭帯(PCL)
4つの靭帯の中で一番太い靭帯で、関節内にあり大腿骨と脛骨を繋いでいます。
脛骨の後方へのズレや膝を深く曲げた時や下腿内旋位で緊張します。
3.内側側副靭帯(MCL)
関節外にあり、大腿骨と脛骨を繋いでいます。
膝の内側を支え、膝関節の外反を制御します。
4.外側側副靭帯(LCL)
関節外にあり、大腿骨と脛骨を繋いでいます。
膝の外側を支え、膝関節の内反を制御します。
☆膝関節靭帯損傷とは
膝関節靭帯損傷とは、スポーツや日常生活で何かしらの原因で膝関節の靭帯に負担がかかることによって起こる怪我の一つです。
それぞれの靭帯についで主な原因と症状、徒手検査法について説明します。
1.前十字靭帯(ACL)
損傷原因:急な方向転換、ジャンプ後の着床、膝に過剰な回転やねじれが加わり負傷することがあります。
スポーツ(特にサッカー、バスケットボール、スキーなど)で多く、女性の方が男性よりも損傷リスクが高いと言われます。
症状:膝が「ガクッ」となる感覚(膝くずれ)、腫れ、疼痛、動きの不安定感など。
徒手検査法:前方引き出しテスト、ラックマンテスト
2.後十字靭帯(PCL)
損傷原因::強い衝撃(例: 車の衝突時に膝をダッシュボードに打ち付ける。転倒時に膝を床に打ち付ける)
スポーツ中の転倒や接触など
症状:疼痛、腫れや不安定感などがあり、疼痛は対上がり動作などで膝の後面に見られることが多い。
徒手検査法:後方押し込みテスト、sagging sign
3.内側側副靭帯(MCL)
損傷原因: 外側から膝に強い力がかかる(例: サッカーやラグビーでの衝突)
他の靭帯損傷(特にACL)時に損傷することが多い。
症状:膝の内側に痛みと腫れ、可動域制限などがみられます。膝関節の外反動揺性が出現します。
徒手検査法:外反動揺テスト、牽引アプレイテスト
4.外側側副靭帯(LCL)
損傷原因:内側から膝に強い力がかかる。(例:タックルや転倒)。
単独損傷は稀で、その他の靭帯損傷や骨折を合併することが多いと言われます。
症状:膝の外側の疼痛、膝関節の内反動揺性が出現します。
徒手検査法:内反動揺テスト、牽引アプレイテスト
☆靭帯損傷の程度
損傷の程度の分類は以下のようになります。
・Grade Ⅰ: 靭帯のわずかな損傷。膝の安定性は保たれる。
・Grade Ⅱ : 靭帯の部分断裂。膝がやや不安定。
・Grade Ⅲ : 靭帯の完全断裂。膝の不安定感が見受けられ、機能障害もある。
☆損傷直後の応急処置
RICEは、靭帯損傷を含む急性外傷時の基本的な対処法です。
「Rest: 安静」
患部を安静にし、負担をかないようにします。
松葉杖やサポーターを使って体重をかけないようにするのも有効です。
「Ice: 冷却」
腫れや痛みを軽減するためにおこないます。
「Compression: 圧迫」
患部を包帯やサポーターで適度に圧迫し、腫れを抑えます。
ただし、血流が遮断されないように注意します。
「Elevation: 挙上」
足を心臓より高い位置に上げ、腫れを軽減します。
5. 予防策
損傷した靭帯にもよりますが、主な予防策をあげます。
「筋力トレーニング」
大腿四頭筋やハムストリングを鍛え、膝の安定性を向上。
「柔軟性向上」
ストレッチをおこない、膝周囲の筋肉や靭帯の柔軟性を守ってください。
「正しいフォームの習得」
スポーツ時のフォーム(ジャンプの着地動作や切り返し動作など)を見直し修正する。
「正しい装備」
スポーツ時には膝を保護するサポーターやブレース、テーピングを使用したりしましょう。
膝靭帯損傷は症状が軽くても放置すると関節の不安定性が長期化、将来的な関節障害につながる可能性があります。重度損傷の場合は手術することもあります。
症状がある場合は、早めに適切な施術を進めることが重要です。
ご相談などございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
お待ちしております。
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